喪失体験から得るもの
今月の目標に「好きなことを妥協せずにする」と設定したので
気になっていた映画を早速見に行ってきました。
見てきたのは、今年のアカデミー賞に6部門でノミネートされている
「サウンド オブ メタル」
この映画の内容を一言で説明すると
「突然に聴覚を失ったロックバンドのドラマーの葛藤の物語」です。
聴覚を失うということは、音楽活動を続けることができなくなること。
人は自分のアイデンティティーを揺るがす喪失体験が起こったとき
動揺、混乱、苛立ち、不安、そして絶望といった感情を経験します。
そして
例え、閉ざされたドアの前から立ち上がることができても
例え、次のドアの扉が目の前に開かれているのに気づいてさえも
ふとした瞬間に「過去への執着」が身をもたげてしまうもの。
そんな心の移ろいを秀逸な音声効果で表現した映画でした。
観客には年配の方が多かったのが印象的です。
もしかすると「人生の晩秋」を過ごす中で
ふと心によぎる諸々の思いに対する
答えやヒントを探しに来られたのでしょうか。
葛藤や絶望を超えた先に辿り着く心の静寂。
いつか私もこの境地に辿り着くことができるのかな?と
そんな問いかけを胸に映画館を後にしました。