自宅の近辺の田んぼで次々と稲刈りが進んでいます。
私の実家は農家です。
といっても、先祖から受け継いだ猫の額ほどの田畑を売らずに
税金対策のため農耕地として維持しているだけです。
世帯主は皆会社員なので、田植えや稲刈りなどの農繁期のみ
有給を取って農作業をしています。
私も幼い頃から田植えや稲刈りの手伝いをしていましたが、
30kgもある米俵をひょい!と担ぐ父が
普段の頼りない父と違って頼もしく見えたものでした。
母が早死にした関係で、父子家庭となって以来
家庭はいつも暗く、親子・兄弟間で様々な確執を繰り広げました。
私が結婚して家を出た後、とある出来事がきっかけで
実家と絶縁して8年が経ちます。
「冠婚葬祭を含む全ての付き合いを断たせてもらいます」と
こちらから絶縁したのですが、親族の中には
「〇〇さん(私の父)は仕方ない人だからなぁ」と
私に同情してくれる人も少なくありませんでした。
その後しばらくして、何故か父から新米が2kgほど届きましたが
受け取らずに送り返しました。
実家との縁が途絶え、諸々の憂鬱から解放されたのは事実です。
父は今年75歳。
もう米俵は担げていないはずです。
兄夫婦が父と同居してくれており、農作業も引き継いでいるので
心配はありません。
それでも、
田植えや稲刈りの季節になると毎回ふと心によぎるのは
「もしこのまま和解せずに父が逝ってしまったら」という
自分に対する問いかけです。
8年経っても答えが出ないまま
今年も稲刈りの進む近所の田んぼを眺めています。